STORY

nitoritoのものがたり

nitoritoの魅力を探りに、山形県米沢市に行ってきました。まだ新鋭のブランドでありながら、県内外にファンを増やし続けるニトリト。私が初めて商品を目にしたのは、閉店後の百貨店、設営の最中でした。ニットと織りと、自由な表現で作られたストールは若者にも魅力的なデザイン、地方のものづくりの熱を感じたことを覚えています。そこから約1年。こうして取り扱いが叶ったことを、とてもうれしく思っています。

nitoritoは「ニットと織と」という言葉を組み合わせて生まれました。

ニトリトの商品の特徴である色彩豊かなデザインは、デザイナーの斎藤さんが米沢に居て生まれるアイデアや、心を揺さぶられた産地の技術によって生み出されています。

斎藤さんは、大学在学中から全国の繊維産業の産地を巡り、その中でも米沢で生み出される技術、産地の一体感、働く人の優しさに触れて、米沢にIターンを決めたそうです。自身が産地に入り込み、ものづくりに関わる姿勢が、ニトリトを応援される魅力なのでしょう。

斎藤さんに案内して頂き、製造の現場を見せてもらいました。デザイナーという立場でありながら、技術的な知識も豊富で、日々現場に触れている様子が伝わりました。こうして良いコミュニケーションが取れているからこそ、見学中、斎藤さんを通して会話する職人さんには笑顔が見えます。

次に通されたのは、ニットの丸編み機の部屋です。中央の円盤が回転することで編み上がる、貴重な大型の編み機が並んでいました。中にはもう動かなくなってしまった機械もあるそうですが、その1台1台にこれまでに生み出された製品の歴史や、動かしてきた人の想いがあるそうです。こうした歴史を引き継ぎ、将来に伝える想いが、ニトリト背景にはあるのです。

ニトリトというと、デザイナーの斎藤さんに焦点が当たることが多いのですが、代表の鈴木さんとのチームワークもブランドの魅力だと感じています。現場の叩き上げで育った鈴木さんは、ニットの編立や柄組の知識も豊富で、アパレル向けの企画・営業を務めていたそうです。昨今のアパレル業界では製品の同質化が進み、どの店も同じような商品で溢れています。それは、ものづくりを理解できるデザイナーが少ないことにも起因しています。そのような市場でも、斎藤さんのような発想豊かなアイデアを、産地の技術で商品化し消費者に届けることはできないのか?いつも冷静でありながら、鈴木さんの言葉には技術者としての熱量を感じました。

ストール以外にも、ポーチやマスク、カードケースなど、様々な商品を企画中だそう。こんなにも可愛いテキスタイルの表現で、米沢からどんな商品が生まれるのか、とても楽しみです。

ニトリトは山形県外の有名百貨店や小売店でも出店されています。
以下のサイトも是非、御覧ください。

【取材協力】
株式会社 nitorito
〒992-0026
山形県米沢市東2丁目7-163
Tel:0238-23-8334
HP. nitorito.com
Mail. [email protected]

取材・文 高橋 勇貴 
写真 スタジオ二十二 須貝優美